軽自動車は危ない?安全性の高い軽自動車の特徴とは

公開日:2024/09/15  

軽自動車の安全性

近年、軽自動車は価格の安さや燃費のよさから、幅広い層に人気を集めています。しかし、その一方で軽自動車は安全性に劣る、というイメージも根強く残っています。果たして、軽自動車は本当に危険なのでしょうか?本記事では、軽自動車の安全性について詳しく解説します。記事を参考に、自分に合った安全な軽自動車を選びましょう。

軽自動車の安全基準

軽自動車は、車体が小さく価格も安いため、安全性に不安を感じる人もいるかもしれません。しかし、軽自動車も普通車と同様に、国の定める厳しい安全基準をクリアしなければ販売できません。ここでは軽自動車の安全基準について詳しく解説します。

衝突安全性

衝突安全性は、自動車事故において最も重要な要素の一つです。軽自動車も普通車と同様に、正面衝突試験、側面衝突試験、後面衝突試験など、さまざまな角度からの衝突を想定した試験を実施しています。

正面衝突試験では、車両同士が正面から衝突した場合の安全性を評価します。試験車両を、時速55kmで走行し、壁や deformable barrier と呼ばれる衝突壁に衝突させます。衝突時の衝撃吸収性能や乗員保護性能などが評価されます。

制動安全性

制動安全性は、車が安全に停止できる性能を示します。軽自動車も普通車と同様に、ABS(アンチロックブレーキシステム)やEBD(電子制動力配分システム)などの安全装備の搭載が義務付けられています

ABSは、急ブレーキ時にタイヤがロックすることを防ぎ、制動距離を短縮するシステムです。タイヤロックを防ぐことで、車両の操作性を維持し、方向安定性を確保できます。

EBDは、車輪ごとの制動力配分を最適化し、車両の安定性を向上させるシステムです。路面状況や車両の荷重状態に応じて、前後の車輪に適切な制動力を配分することで、横滑りを抑制し、安全な停止を実現します。

操縦安定性

操縦安定性は、車が安全に走行できる性能を示します。軽自動車は車体が小さいため、横風に影響を受けやすいという側面があります。

横滑り防止装置は、車両の横滑りを検知し、自動的にブレーキ制御やエンジン出力を制御することで、車両の安定性を回復させるシステムです。横滑り防止装置は、平成30年2月24日以降に製造された軽自動車に搭載が義務付けられています。車体剛性とは、車体のゆがみにくさを表す指標です。

軽自動車の事故死亡率

次に普通自動車と軽自動車の死亡率を比較してみましょう。

車両同士の事故

ITARDA(交通事故総合分析センター)の調査によれば、平成25年の自動車乗車中の負傷者数は、車両同士の事故における死亡率は、軽自動車が0.22%、普通車が0.19%です。軽自動車の方がわずかに死亡率が高いですが、これは車体の軽さが影響していると考えられます。

車体が軽い軽自動車は、衝突時に大きく飛ばされてしまうため、大きなダメージを受けてしまう可能性があります。とくに、大型車との衝突では、車体重量の差が大きく影響し、軽自動車の方が致命的なダメージを受けやすい傾向があります。

衝突速度が速くなるほど、死亡率は高くなります。軽自動車は車体が小さいため、衝突時に大きな衝撃を受けやすく、速度が速ければ速いほど、死亡リスクが高くなります。

単独事故の死亡率

一方、単独事故における死亡率は、軽自動車が4.47%、普通車が4.51%と、軽自動車の方がわずかに低い傾向です。これは、車体が軽い分、壁やガードレールなどに衝突した際の衝撃が小さくなるためと考えられます。

車体が軽い軽自動車は、壁やガードレールなどに衝突しても、車体が大きく変形しにくいため、乗員への衝撃が小さくなる可能性があります。単独事故でも、衝突速度が速くなるほど、死亡率は高くなります。

軽自動車は車体が小さいため、速度が速ければ速いほど、死亡リスクが高くなります。単独事故では、壁やガードレール、電柱など、さまざまな物体に衝突する可能性があります。衝突する物体の硬さや形状によって、死亡率は大きく変わります。

安全性の高い軽自動車の3つの特徴

軽自動車は価格や燃費のよさから人気ですが、安全性を重視する必要があります。安全性の高い軽自動車を選ぶには、以下の3つのポイントを重点的に確認しましょう。

衝突安全性能

衝突安全性能は、自動車アセスメント(JNCAP)などの衝突試験で評価されます。衝突試験で高い評価を得ている車は、衝突時の衝撃を吸収し、乗員を守る性能が高いといえます。

JNCAPは、国土交通省と独立行政法人自動車事故対策機構が実施する自動車衝突安全性能評価です。正面衝突試験、側面衝突試験、後面衝突試験、歩行者保護試験などをおこない、総合評価で星5つから星1つまで評価されます。

星5つが最も安全性の高い評価です。また衝突被害軽減ブレーキと誤発進抑制機能も重要です。衝突被害軽減ブレーキは、前方車両との衝突を検知し、自動的にブレーキをかけるシステムです。

安全装備

近年は、衝突被害軽減ブレーキや誤発進抑制機能以外にも、さまざまな安全装備が開発されています。安全性の高い軽自動車を選ぶには、これらの安全装備が充実している車を選ぶことが重要です。

・横滑り防止装置
横滑り防止装置は、車両の横滑りを検知し、自動的にブレーキ制御やエンジン出力を制御することで、車両の安定性を回復させるシステムです。横滑り防止装置は、雨天や路面凍結時など、滑りやすい路面でのスリップ事故を防ぐ効果が期待できます。

・アダプティブクルーズコントロール
アダプティブクルーズコントロールは、前方の車両との車間距離を一定に保ちながら自動的に速度を調整するシステムです。アダプティブクルーズコントロールは、長距離運転での疲労軽減や、追突事故を防ぐ効果が期待できます。

車体剛性

車体剛性とは、車体のゆがみにくさを表す指標です。車体剛性が高い車は、衝突時の衝撃に耐えやすく、乗員を守る性能が高いといえます。車体剛性を高めるためには、高強度鋼板を使用することが有効です。

まとめ

軽自動車は、車体が小さく価格も安いため、安全性に不安を感じる人もいるかもしれません。しかし、軽自動車も普通車と同様に、国の定める厳しい安全基準をクリアしており、衝突安全性、制動安全性、操縦安定性など、さまざまな安全対策が講じられています。安全性を重視するなら、衝突試験で高い評価を得ている車や、先進安全装備が充実している車を選ぶことをおすすめします。本記事を参考に、安全性を第一に考えた軽自動車選びをしてください。

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